法人破産 [事例5]

東日本大震災後の消費不況で売上が減少し資金繰りに行き詰った事例

小売業
債務整理方法借金総額
破産 600万円 ⇒ 0円

背景

個人事業主として通信販売業をしていた社長様(以下、Aさんと呼ぶ)は、いずれは実店舗を出店したいとの夢を有し、開店資金の積立てなど準備を行っていました。約10年後、Aさんは夢を実現させ、店舗販売を開始するとともに会社を設立しました。しかし、開店資金が予想を上回ってしまったため不足分を金融機関から融資を受けざるを得ず、また、売上が計画を下回る状況が継続しました。
そのような状況下、東日本大震災が発生して商品仕入の流通は麻痺した上に消費低迷によって売上が激減し、Aさんは個人で借入れを行う等金策に奔走しましたが会社の業績は改善しませんでした。
金融機関への返済も困難となり、今後の経営や自身の生活に不安を覚えたAさんは、当事務所へご相談にいらっしゃいました。

対応

当事務所からは、営業赤字で業績回復の目途が立たない以上、さらなる負債の増加を抑えるため、営業を停止して破産の申立てを行うことをご提案しました。
Aさんは、自身が起こした愛着ある会社であること、今まで借入金の返済のために必死の努力をしてきこと等から当初は非常に悩んでいらっしゃいましたが、個人名義の負債も相当程度に上っていること、会社の代表として債権者から請求を受け続ける精神的圧迫などをご説明したところ、ご納得の上、会社の破産申立てを決意し、営業を停止されました。
ご相談時には店舗は明渡済で保証金等の精算も終了しており、目ぼしい資産は特になかったため、当所では資産の処分方法等のヒアリングおよび負債の調査を行い、申立の準備を進めていきました。

結果

資産については不当に処分されたものなどもなかったため、Aさんの協力のもと資料などは滞りなく準備でき、破産管財人に報告することができました。そのため、破産管財人から特に追加資料の提出指示等もなく、手続は無事に終了しました。
上記のとおり当初は破産手続の申立てに逡巡していたAさんも、最終的には無事に解決を図ることができたことにとても安心されておりました。

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