交通事故

熊谷周辺で交通事故に強い弁護士に依頼するポイント

2019年春、高齢ドライバーが運転する自動車が池袋で暴走し、母子2人が死亡する痛ましい事故があったのは記憶に新しく、その後高齢ドライバーの免許返納についての議論が繰り返されています。

高齢ドライバーに限らず、あおり運転や玉突き事故など、交通事故関連のニュースを目にすることは非常に多いものです。

今回の記事では、埼玉県熊谷市周辺の交通事故の現状や、交通事故に遭ったらどのような流れで手続が進んでいくのかなど、順を追って簡単に解説していきます。

1.熊谷市の交通事故発生状況

夏の暑さが非常に厳しく、猛暑に関係する様々な記録が観測されることで全国的にも有名な熊谷市は、埼玉県の北部に位置する人口197,731人(平成31年1月1日時点)の市です。市の北部は群馬県と接しています。

熊谷市のホームページでは、熊谷市内での交通事故発生状況が年ごとに閲覧できます。ここでは平成30年のデータを紹介します。

  • 人身事故(怪我人や死亡者が発生した事故)件数:793件
  • 死亡者数:7名
  • 怪我を負った人の数:995名
  • 物損事故件数:4,733件

いずれも前年に比べて少し減ってはいるものの、依然として熊谷では交通事故が多く、平成30年12月20日から平成31年3月19日までの間、埼玉県から「交通事故防止特別対策地域」に指定されていたほどです。

2.交通事故に遭ったらまず行うべきこと

上記の数字から分かるように、交通事故は身近で起こり得るものです。
しかし、自分自身がどんなに気をつけていても、交通事故に遭ってしまう可能性をゼロにすることはできません。

万が一交通事故に巻き込まれてしまった場合、その場でしておくべきことは何なのでしょうか。

(1) 怪我人の手当

その事故によって怪我人が発生したのであれば、手当を最優先しましょう。急を要するような怪我であれば迷わず救急車を呼ぶべきです。

また、自分が怪我をしたのであれば、軽度でも必ず病院へ行き、受診してください。

その際、「診断書を書いてもらうこと」と「医療費の領収証や診療報酬明細書を保管しておくこと」を忘れずに行いましょう。

(2) 警察への届け出

交通事故が起こったときに警察へ届け出ることは運転者の義務です。必ず警察へ届け出ましょう。

熊谷市内で事故に遭ったとき、管轄の警察署は「熊谷警察署」になります。

熊谷警察署
〒360-0816 埼玉県熊谷市石原441番地4
048-526-0110(※事故の届け出は通常の110番で構いません)

警察に届け出られた交通事故は「物損事故」か「人身事故」のいずれかに分類されます。
「物損事故」は車や付属品、周囲の物が壊れた交通事故。「人身事故」は上記のみならず怪我人や死亡者が出た交通事故のことです。

その場では怪我が無いと思い物損事故として届け出ても、時間が経ってから痛みや症状が出てくる怪我もあります。代表的なものは追突事故で多い「むち打ち」です。

痛みを感じたらできる限り早い段階で病院を受診し、医師に診断書を書いてもらいましょう。時間が経てば経つほど、事故との因果関係を証明しにくくなります。

警察に診断書を提出し、それが受理されると人身事故に切り替わり、相手方に治療費や慰謝料などを請求できるようになります。

[参考記事]

交通事故の後から痛み|物損事故から人身事故への切り替えを

逆にいえば、物損事故のままの場合、記録上怪我人は存在していないということになるため、原則治療費などは請求できません。

また、人身事故の場合は警察が実況見分を行い、「実況見分調書」を作成します。これはあとから事故の過失割合などを決める際、非常に役に立ちます。

【届け出は毅然とした態度で】
相手によっては「いろいろと面倒だし、怪我がないなら警察に届け出ないでほしい」などと言われることがあります。
しかし、事故の届け出は運転者の義務です。届け出を行わないと交通事故があったことを証明することができず、本来受け取れるはずの保険金も受け取れないのです。
また、人身事故になると加害者側は罰金などの刑事罰や免許停止などの行政処分を受けることになるため、「物損にしてくれ」と頼まれることもあるかもしれません。ですが、事故で怪我を負ったにもかかわらず物損事故にしてしまうと、治療費を相手に請求できず、全額自身が負担しなくてはならなくなるリスクがあります。
相手の要求を飲んでしまうと、あとから不利益を被るのは自分自身です。いずれの場合も、毅然とした対応をすることが大切です。

(3) 自分が加入している自動車保険へ連絡する

交通事故に遭った場合、自分が加入している保険会社への連絡も必要です。

万が一のために自分が加入している自動車保険の保険証書、もしくは保険会社の連絡先が分かるメモなどを常に携帯しておくと便利です。

(4) 相手方の連絡先などを聞いておく

可能であれば、事故の相手方に以下の点を確認しておきましょう。

  • 氏名
  • 住所
  • 電話番号
  • 相手が加入している自動車保険会社

基本的に、相手の車検証を確認すれば事足りることも多いです。
相手が頑なに拒否をするなどした場合、その場で無理に全てを聞き出さなくても大丈夫です。

(5) その他

事故直後、もし心身ともに余裕があれば、事故の状況の写真を撮影しておくといいかもしれません。本格的なカメラではなく、スマートフォンなどのカメラで十分です。

ただし、怪我をしている場合など、くれぐれも無理はしないでください。

3.交通事故後の「交渉」

交通事故のあとは、相手方が加入している任意保険会社と様々な交渉を行うことになります。

(1) 交通事故関係の賠償金についての交渉

交通事故で相手に請求できる賠償金は、いくつかの種類に分けられます。

治療費

交通事故によって負った怪我の治療にかかった費用のことです。診断書の作成費用や通院交通費なども含まれます。

交通事故による怪我の治療を受けた場合、領収証や診療報酬明細書は必ず保管しておきましょう。

慰謝料

交通事故に限らず、慰謝料とは「精神的苦痛に対する損害賠償」のことです。

怪我の程度や入通院の期間などによって、ある程度の基準があります。

休業損害

交通事故によって就労ができなくなった場合、その損失分を補填してもらう必要があります。

手続のためには勤務先に書いてもらう「休業損害証明書」などが必要です。自営業の場合は確定申告書の写し等で対応可能な場合もあります。

後遺障害慰謝料・遺失利益

交通事故により後遺障害が残ったとして等級認定がされた場合、その後遺障害に対する慰謝料を請求できます。
また、「後遺障害による遺失利益」として、「後遺障害がなければ得られたはずの利益」とされる金額を受け取ることができます。

後遺障害等級認定の手続には「後遺障害診断書」などが必要です。この診断書は治療費請求などの際に使用した診断書とは別のもので、様式が決まっています。

(2) 過失割合についての交渉

過失割合」とは、端的にいうと「この事故でどちらにどれだけの過失があるか」を示す数値のことです。

例えば、ある交通事故に関しての慰謝料が100万円と決まり、その事故の過失割合が「加害者:被害者が80:20」となったとしましょう。
この場合、「被害者にも過失が20%あった」ということですから、その過失分20%が慰謝料100万円から引かれます。つまり、被害者が受け取れる慰謝料は80万円ということです。

人身事故の場合、警察は事故の詳細な様子を記録した「実況見分調書」を作成します。この実況見分調書は、交通事故の過失割合を正確に算出する大きな手助けになります。

(3) 交通事故における交渉のポイント

交渉における一番のポイントは「相手から提示された金額が適切かどうかをきちんと判断する」ということです。

保険会社は、もちろん誠意を持って対応してくれることがほとんどですが、保険会社も営利団体です。基本的には「払う金額は少なくしたい」という本音があります。

そのため、やや少なめの金額を提示してきたり、過失割合について加害者側に有利な形で主張を行ったりします。そのため、被害者側として納得がいかない内容であることもしばしばでしょう。

残念ながら、交通事故において、双方が納得のいく結果になることは多くないのです。

交通事故の示談交渉の判断に迷ったら、法律および交渉のプロである弁護士に相談する、というのが解決策としてベストです。

4.交通事故案件を弁護士に依頼するメリット

交通事故について、弁護士に相談・依頼するメリットは以下の3つです。

(1) 弁護士が交渉をすべて代理で行う

交通事故関連のやりとりは、精神的に消耗する内容も多いものです。

しかし弁護士に依頼すると、相手方保険会社とのおっくうなやりとりも、すべて弁護士が代理で行います。

(2) 賠償金額や過失割合を適切に判断してもらえる

弁護士は法律のプロです。今までの経験や判例などから、事故の状況に即した適切な賠償金額や過失割合を判断します。

(3) 「弁護士基準」で交渉し、賠償額増額の可能性も

実は、交通事故における慰謝料の算定には3つの基準があります。

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 弁護士基準(裁判所基準)

この三つの基準のうち、通常下に行くほど金額は上がります。

弁護士に依頼すると、一番高額とされる「弁護士基準」での交渉が可能になるため、当初の提示額からの増額も期待できます。

5.熊谷市における交通事故案件はまずご相談ください

交通事故の過失割合や賠償金の請求・交渉などに関してお困りの方は、ぜひ一度、泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

専門家に話を聞いてもらうだけで心がある程度軽くなるものですし、場合によっては賠償額が増える可能性もあります。

熊谷市、深谷市、行田市、羽生市、東松山市、滑川町など、高崎線沿線にお住まい、お勤めの方は、泉総合法律事務所熊谷支店がアクセス便利です。

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